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裏ケンチックス

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エコ

昨年末に事務所を引越してからあっという間に桜の季節がやってきました。
新事務所は中庭に面した木製建具を全解放するととても心地の良い風が通り抜けていきます。ところが時代の流れは建具全開放とは真逆へ動いています。

建築業界では大手ハウスメーカー等でもエコスマート住宅が謳い文句になっています。国も住宅の省エネ化を促進しており、2020年には省エネ基準適合住宅が義務化になることが話題を呼んでいます。省エネ住宅の仕様にする事は今現在では通常よりもコスト高となり、効果が事前にはっきり目に見えないためにそのコストと釣り合わないことが多かったです。各メーカーも基準に合わせた製品開発に汗を流している最中だと思いますが、省エネ基準の義務化を期に各設備機器や断熱材、断熱サッシ等がより安く普及して使い易くなってくれれば良いですね。

ただ気密性ではアルミサッシに遠く及ばないながらもその温もりのある存在感は他の何者にも変えがたい木製建具の行く末が設計士としてはかなり気がかりです。



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先日、玉野の家の棟上げが行われました。
この家は高気密高断熱化を図るためにスーパーウォール工法(LIXIL)を採用しています。外壁下地パネルに断熱材が張り合わせてあり、そのパネルを柱梁の間にはめ込んで行く工法です。パネル一枚一枚の周囲にパッキンが張られていて隙間を塞ぐ工夫がなされています。断熱材とパネルが一体になっているので大工さんが断熱材をはめ込む手間も省けます。またパネルの外側に通気層を設けることで壁内の内部結露を防ぐことができます。通常は24時間換気の給気は各部屋の外壁に穴をあけて給気グリルを設けますが、この工法ではこの通気層を介して給気を行うため強制的に通気層に空気が流れるようになっています。そのため内部結露防止対策としては通常の通気層よりも効果が高いように感じます。

中庭からは明るい光が降り注ぎ、夏は涼しく冬は暖かい空気を外部へ逃がさない、そんな居心地の良い家となることを期待しています。

ケンチックス:小川
by kentix1632 | 2016-03-26 14:16 | 玉野の家
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